【RB26DETT-S1 エンジンオーバーホール日記 異物混入?編】VOL.3

今のところは「エンジン内部に傷を付けた原因がわからない...」今回のS1エンジンのオーバーホール。こういったケースの場合、ここから先の作業が重要になってきます。きっちりと点検を行い、継続使用の可否を見極めていきます。ここで判断を間違ってしまうと、「再度トラブルを抱えてしまう事」になります。【既に、内部に異物が無い状態...】で、とても気持ち悪いのですが、基本に忠実に!エンジン本体の補器部品以外にも、吸排気系の他の部位にも注意を残しておく!感じです。

■シリンダーブロックの状況■

結果:新品のN1ブロック(A1000-24U00/@\425,000-税別)へ交換...

理由:異物混入で傷が付いたり、消耗摩耗でクリアランスが広くなってしまった時の為に、純正部品には0.5㎜、1.0㎜とサイズアップしたピストンがあります。例えば、片側0.5㎜以内の傷であれば、ボーリングやホーニングなどのシリンダー内壁の加工修正でブロックは再利用できます。今回の場合、一番大きい画像中央の傷は、残念ですが消えません。圧縮抜けの原因になりますので、ボーリングもNGで継続使用不可と判断しました。

■ピストンの状況■

結果:新品のN1ピストン(A2010-AA40*/@\20,900-税別×6ヶ)へ交換...

理由:ブロック同様にピストンにも無数の縦傷が付いています。継続使用はNGでした。何基もエンジンを組んできた私たちでも、ここまでくっきり縦傷がついているピストンを見る事はとても珍しいです。サイズに合わせたピストンリングも交換となります。

■シリンダーヘッドの状況■

結果:新品のシリンダーヘッド(11040-05U00/@\187,000-税別)へ交換...

理由:タービンブローではないのに...ブロックとピストンも継続出来ない今回の不具合では、シリンダーヘッドの傷もかなり深く、面研で取り除けるレベルではありませんでした。いったいどんな異物が侵入したらここまでダメージを受けるのか。

特に、バルブガイドには大きなガタが無く、継続使用出来るだけに、とても残念です。

■バルブの状況■

結果:新品のバルブ(13201-05U00/INT・13202-05U01/EXT 約@\3,500-税別×24ヶ)へ交換...

理由:画像ではわかりにくいですが、インテーク・エキゾーストバルブ共に異物を噛み込んだ後の傷が細かく付いていました。摺合せでは、良い圧縮を作る為の気密を確保出来ない為、バルブ全数交換としました。

■インジェクターの状況■

結果:継続!

理由:先端部分がプラスチックで出来ているインジェクター。経年劣化でクラックが入っている部品を見る事もあります。点検時には念入りに確認しましたが、クラックは入っていませんでした。

プラスチックで出来た電装品のインジェクター。今回交換をするという選択もあったのですが、状態が良く、極力、施工コストを抑えてあげたい想いもありました。

 

残念ですが、インジェクター以外の全ての部品が交換となりました。これから安心して使用して行く為には必要な...やもえない交換です。もちろん、加工修正で行ける時もあります。

アドバイス:何の不具合であれ、1つ1つの点検を丁寧に行う事が重要です。皆さんにアドバイス出来る事は、出来れば「同じ店で!且つ、安心して任せられる実績があるお店に行く!」だけかもしれません。今回は原因が判明しないまま進んでいますが、結果的に、通常は継続使用出来る部品の交換が増え、施工コストも増えています...

次回は、組み込み準備の内容を紹介していきます。