【RB26DETT-S1 エンジンオーバーホール日記 異物混入?編】VOL.5

「異物混入?」で始まった今回のエンジンオーバーホール作業は、VOL.1~4で紹介した通り、痕跡は確認出来るが、異物その物は見つかりませんでした。

最終回の今回は、各部位の細かな点検を元に行われる組み付け作業となります。

■シリンダーヘッドとブロック、ピストンなど、一番被害の大きかったベア部分

ダイヤルゲージを使ってのバルブタイミング測定。S1エンジンの規定値内に入っている事を確認。クランクシャフトやカムシャフトといった重要部品の個体点検は行いましたが、トータルでの確認もここで行います。

■綺麗に塗りなおしたエンジンカバー

既に結晶塗装されていたエンジンカバーですが、経年劣化が見られたので塗り直しを行いました。

塗り直したエンジンカバーには、新しいエンジンプレートを取り付けます。

【SIRIAL NO.】と【TYPE】欄への打刻は、今回の施工がS1エンジンのO/Hということなので、S1施工の履歴とREFの両履歴をTYPE欄に残す事としました。シリアルナンバーも同様です。

■エンジンベンチでラッピングと性能確認

組み上がったエンジンに、下の様なエンジンベンチ用の機器を付けてラッピング作業を行います。

完成後のラッピング=慣らし運転を行うことで、ノッキングや、オイル・水漏れなどのトラブル有無も確認します。もちろん、車載時に再確認を行います。

■完成です!

エンジンベンチで、高回転域を含めた全域で、パワーやトルクが規定値に入っているか確認し、最後に、コンプレッションチェックと内視鏡検査を行います。

 

結果的に、オーナーの方にとっては些細な事が原因となった余分な出費だったかもしれません。しかし、これからの10年20年を過ごす為には必要なオーバーホールだったと思います。RB26DETT、間違いなく耐久性も性能も含めNISSANが誇る名機です。また、S1やR1はNISMOが誇るチューニングエンジンの名機です。

S2やR2にバージョンUPする方もいらっしゃいますし、純粋なO/Hだけを行う方もいます。是非、長く使って行ってくれるとうれしいです。