【1.0㎜オーバーサイズ:F-SPORT 2.7Lエンジン の誘惑 】

エンジンを構成する純正部品には、修理用選択部品と言うのが用意され、ピストンも同様で0.5㎜オーバーサイズ、1.0㎜オーバーサイズがあります。ここで1.0㎜オーバーサイズを選択する事により、スタンダードより60㏄アップの2628㏄(STD2568㏄)にすることが出来ます。

今回紹介する【F-SPORT 2.7Lエンジン】は、ブロック加工と燃焼室ボリューム調整も行う、この仕様です。

たった60㏄と思われるかもしれませんが、この60㏄がチューニングには効いてきます。まず、排気量が上がる事で【低速トルクが太く】なり、また、ヘッドガスケットをR2用の0.9㎜から、87φ用の1.2㎜の厚い物を使用する事で圧縮比変更し、ブーストアップや点火時期調整の幅が増えるという利点も出てきます。

そして最大のメリットは、車検査証の記載変更が必要なく、その結果、通常のRB26DETT用のマフラー(触媒)のガス検書類が使える事にあり、且つ、R2エンジンのデメリットを無くした上で、更なる高性能領域を得られる事にあります。

フィーリングで言うと、乗りやすい!下から力がある!S2R2の良い所取り!って感じです。

もちろん、大森ファクトリー仕様のこのエンジンは、R2等では使わない下記の部品を使用する事で、性能に見合った強度アップや、フリクションの低減を実現させています。

ただピストンサイズを変えれば良いわけではないので、誤解しないで下さいね。

■ピストン

純正仕様と同じクーリングチャンネル構造の鍛造品です。N1仕様でも十分耐えうるのですが、さらなる耐久性を考え、部品単体での販売は行っていない強化品を使用。

■ピストンリング

TOPリングを部品単体での販売は行っていないチタンコーティング品に変更することにより、フリクションを低減。また、シリンダー内部への攻撃も和らげます。

■GTコンロッド

高強度ニッケルモリブデン鋼を使用し、I断面の形状を採用する事で軽量かつ高強度(対純正比:1.6倍)なNISMO部品です。

基本ベースはR2エンジン仕様なのですが、金属加工・強化部品・セットアップを組み合わせる事によって、使用条件や補器部品にもよりますが、パワー470psトルク52Kgオーバー*を実現します。

耐久性、トルクアップでの乗り易さ、全てにおいて高い領域のエンジンです。皆さんの選択肢の一つにしてみて下さいね。

*参考値(測定条件でも違います)