中古車買ったら? 長く乗っているから? 2つの診断メニューを上手に活用してみては?

また1年が過ぎようとしています。1年は早いですね。

1989年から販売開始した第2世代GT-R/SKYLINE GT-Rも、また歳をとります。仕方がないのですが・・・・BNR34の一番新しいモデルでも17年経過しています。走行距離の少ない車両も、経年劣化には勝てませんね。

この1年も、「中古車を買ったけど、今後どうメンテナンスしていけばいいかわからない。」とか、「今の自分の車のコンディションを知りたい。」といった話や相談を受けました。それ以外にも、「なにか調子が悪く、販売店へ依頼しても、治らない、解らない、等々、どうしていいのか分らない」といった悲しい話まで・・・

大森ファクトリーでは、沢山のGT-Rに関わってきた経験をベースに、「車両診断メニュー FOR SKYLINE GT-R」「RB26DETTエンジン診断メニュー」を設定し、目視チェックだけでなく、走行チェックと機器を使った測定をします。そして、確実に不具合を洗い出し、トータルで皆さんに、今後のメンテナンスのアドバイスと提案をしています。もちろん、アドバイスしたメンテナンスを実施する事自体は、皆さんの自由です。

さて今回、エンジンに特化した「RB26DETTエンジン診断メニュー」を、少し紹介していきます。

 

■例えば、ターボチャージャーの点検項目(RB26DETTエンジン診断メニュー)

ターボチャージャー単体で、オイル漏れ、水漏れが無いかチェックをし、ローターシャフトのガタ及び摺動抵抗、インペラー損が無いかどうか手で触ってチェックします。この触ってチェックと言うのは熟練が必要になります。感覚なので、入念にチェックします。次に計器を使用してローターシャフトのエンドプレーとアクチュエーターロッドの作動圧を測定します。計測基準値ですぐ不具合と判断することは難しいですが、交換サイクルの指標の1つになります。

【写真】計測に使用する特殊な工具は、一つ一つ手作りしています。

 

■例えば、コンプレッションチェックと内視鏡でのシリンダー内部点検項目

【写真】画像や動画も保存でき、医療用にも引けを取らないファイバースコープ

コンサルトでの各項目チェックを行い、点火時期の点検やパワーバランスの点検を実施します。次にプラグを外し、コンプレッションチェックと内視鏡でのシリンダー内部点検を実施します。以前ここで、写真のような異物混入の形跡を発見し、エンジンオーバーホール作業を実施したケースもあります。内視鏡という特殊な工具はどこにでもある訳ではありません。だからこそ、ここで入念にチェックを行います。

【写真】異物が混入し、ピストンとシリンダーの隙間に入り込み、縦傷をつけてしまった状態。

全体としては、エンジン本体と補器部品の点検診断として、エンジン本体は、現状おかしなところは無いかの確認。補器部品は、本体に悪影響を及ぼす不具合が無いかの確認です。予防点検全部で47項目を点検行います。大事な事は、オーナーの皆さんが、現状をしっかりと知り、今後どのようにGT-Rと付き合って行くのか?そんなアドバイスになる事だと思っています。もちろん、診断結果は、口頭と用紙でレポートします。

 

何か困ったら、診断を受ける!大事ですよ。

では。