RB26DETT【S2】 トルク、トルク、とにかくトルクの出力性能/特性がキモですよ!

先日、とあるオーナーより、SKYLINE GT-RのエンジンRB26DETTのオーバーホールに関し相談を受けました。その際、S2エンジンとR2エンジンの違いを含め質問があったので、せっかくなので皆さんにもあらためてご紹介させて下さい。

一般的というか、通常、エンジンの性能で表現されるのは、最大出力としての馬力とトルク値ですよね。しかし、大森ファクトリーのスタッフが注視するのはトルクの出方です。最大値はどうでもいいとは言いませんが、回転域毎のトルク値と、そのつながり方!如何に、きれいな性能曲線を描くか、欲しい時に欲しい力を発揮するか、そして乗り手に気持ちが良いフィーリングを生むセットアップをするかです。そういった意味では、S2は面白い魅力的なフィーリングをしていますよ。

今回、STD/ノーマルとの対比をグラフにしてみましたが、どんな感じに見えますか?

両方共に、綺麗に谷が無い曲線を描いていますよね。これ、結構大事です。息継ぎと感じるような落ち込みが無いでしょ。

じゃ、違いは何か。

・まずは、STDより大幅に上乗せした高出力を発揮。

・STDが4000回転付近から落ち込むのに対し、S2は3200回転まで速い段階で出力を上げ、その後も5600回転のピークまで高い出力を発揮し続ける事。フラットな出力性能とか言ったり、パワーバンドが広いなんていった感じですかね。

その結果、中回転域まで、アクセルのONOFF時に加速、車が前へ押し出されるフィーリングを感じる事になります。

ちなみに、この回転領域での加速感はR2には無いフィーリングで、人によってはS2の方が速い感覚を持つ方もいるぐらいです。もちろん、高回転域にかけてはR2が勝っていますよ。要は、どっちがENGとして上下という事ではなく、2つの味付け/特性が違う種類と思って下さいね。

あと、パワー/馬力は下記ですが、参考程度で。

どうですか?

S2はSTD部品を中心に組み合わせている事で、部品単体の耐久性を活用しながら、持てる性能を最大限レベルで使った仕様としています。近年の純正部品の値上がりで価格的な優位性は少なくなってしまったのですが、それでも、絶対的な安心感とフィーリングの魅力は薄れません。

簡単には試しませんか?とかは言いませんが、オーバーホールを考える際の選択肢にはなりますよ。

その時は是非!