入手出来ない部品への「パウダーコート/紛体塗装」という選択

こんにちは、貝瀬です。
部品の生産廃止は、第二世代GTRのオーナーの皆さんには切実な事ですよね。
入手出来ない部品は、錆などの劣化から守り、長く使い続ける事が求められます。
そこで、大森ファクトリーのキャンペーンでも展示したサスペンションメンバーへの
パウダーコート処理について、実際の施工も踏まえ紹介しますね。
もちろん、この塗装にはメリットもデメリットもあるので、何故、大森ファクトリーが
パウダーコートを選択したか、まずは、そこからです。

(パウダーコートってどんな塗装処理?)
簡単に説明すると、通常の液体塗料ではありません。
静電気を活用し、粉を吹き付け吸着させた後、約200度の窯で焼き付けます。
そうする事で、化学反応も含め粉が溶け、塗膜が作られます。
デメリットとしては、耐熱性が低いのと、耐ガソリン性に多少の弱さがあります。
但し、メリットとして【塗膜が固く厚い、伸縮性がある、紫外線での色アセが少ない】事があります。

(なぜパウダーコートを選択したか?)
車両の下廻りは、風圧の影響で小さな小石などが巻き上げられ、常に異物が叩きつけられています。
解りやすい事例だと、アーム類の塗装面のチッピング現象があります。
まずは、これに比較的強いという事です。
次に、メンバー(ボディ本体含む)類には、力を逃がし、時には吸引する【しなり】が大事になります。
そこで求められるのが伸縮性です。
そこで、ホイールやスプリングにも使われる事があるパウダーコートを選択した訳です。
ネックは価格ですが...

では、実際の施工ではどうなるのでしょうか?下の写真が塗装処理前後での見栄えの違いですが、
ここまで綺麗に仕上げるには、大森ファクトリーが拘る錆落とし/下地処理が大事になります。
特に、つなぎ目の溶接個所は、錆が出やすい部分ですね。剛性を保持すべき大事な場所なのに...
今回はNISMO製リンクを装着するので、同系色であるシルバーで選択。もちろん他色でもOKです。
※ちなみに、このリンク類とは塗装が違うので、耐性は大幅に良くなっています。
フロントメンバーはエンジン施工のタイミングで。リアメンバーはシャシーリフレッシュの機会での
施工をお奨めします。工賃を押える事もできますので、長く乗り続ける為の施工の一種として、
大森ファクトリーへ相談下さい。

■フロントメンバーのビフォー・アフター

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■リヤメンバーのビフォー・アフター

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■サビ部分(拡大)のビフォー・アフター

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(トピックス)
現在、32GTR/BNR32用フロントメンバーと、260RS/WGNC34用リアメンバーが生産廃止ですが、
リアメンバーの塗装にはブッシュの交換が必要になり、部品を用意しなくてはなりません。
もちろん、塗装しなくても交換したい場合もあります。なのに、260RSについてはニスモのブッシュもありません。
ではどうするのか?大森ファクトリーはどうしているのか?ですが、どこかの機会に紹介しますね。

貝瀬