皆さん、こんにちは~。
ご無沙汰していた解説シリーズ、今回はサーキットテストを通して面白い結果が出たので皆さまにご報告させていただきます。
どんなテストをしたのかというと、「アドオンリヤスポイラー(好評販売中)」と「GT-R NISMO標準Rrウイング」と「N-Attack専用Rrウイング」の3種類を装着して、フィーリングやタイムの変化代を確認しました。Rrウイング変更によるダウンフォースの増大で走行に与える影響を把握したかったのです。
実は好評発売中のスポーツサスペンションキット(OHLINS製4way)を開発していたころ「Rrのダウンフォースがもっとあれば、タイムアップにつながる可能性あり」という評価を受けて、Rrウイングの検討を進めていたのです。
そこで、3種類のRrウイングを比較することで、性能向上代を確認したというわけです。テスト車両はMY13モデルで、フルNISMOパーツ装着となります。写真はテスト用のN-Attack専用リアウイング装着時の1枚。
下の写真は順番に「アドオンリヤスポイラー」「GT-R NISMO標準Rrウイング」「N-Attack専用Rrウイング」です。GT-R NISMO標準とN-Attack専用ウイングは高さが異なります。いずれも、ポストの位置がノーマルとは異なるため、トランクごと付け替えちゃいました!
テストドライバーはもちろん、影山正美Dr。
タイム計測の結果は、、、
1位「アドオンリヤスポイラー仕様」、2位が「GT-R NISMO標準ウイング」、3位が「N-Attack専用Rrウイング」でした。
大型のRrウイングを装着することでリヤのダウンフォースが大きくなり、コーナー立ち上がりでアクセル全開ポイントが手前になった一方、コーナー進入でRrが粘ることで向きが変わりにくくなったのがタイム差の要因です。
ちなみに、FSW走行中にRrウイングにかかる荷重を計測したのですが、アドオンスポイラーに対し、GT-R NISMO標準ウイングは約2倍。N-Attack専用Rrウイングは約3倍の荷重が掛かっていることが分かりました。また、FSWストレートエンドでのトップスピードがアドオンスポイラーに対して、GT-R NISMO標準ウイングはマイナス4km/h、N-Attack専用Rrウイングはマイナス7km/hであることも分かりました。
写真は計測器の動作確認をしているところです。
本日の結論!
現在販売中のエアロはパッケージとして高度にバランスがとれている。
我々が想定していた結果とは異なりましたが、R35 GT-Rの場合、単純にRrのダウンフォースを上げるだけでは全体のバランスが崩れてしまうんですね。やはり、実際に走らせて検証することは大事です!
とはいえ、今回の結果はプロドライバーによる評価です。コーナリング中にリヤの挙動に不安を感じている一般ユーザーさんにはGT-R NISMO標準ウイング程度のダウンフォースがあった方が安心できるかも知れません。特に高速コーナーが多い鈴鹿では安心感が増すだろうし。。。さらには、もっとハイパワーな仕様になればRrのダウンフォースが効果的に使えるかも知れません。
というわけで、Rrダウンフォース向上の優位点も見えたので、今後も商品化の検討を進めていきたいと思います。お楽しみに!
以上、鷹巣でした。