BARE-ENGINE/ベアエンジンを搭載する事になったSKYLINE GTR(R33 4ドア)

皆さんは、ベアエンジンの魅力って何だと思います?

普通は、エンジン破損に伴う交換目的であったり、チューニングベースとしての交換目的だと思いますよね。でも、RB26DETTは、それだけではないんです。

魅力=オイルパンと一体になったフロントデフがついている事です!

エンジン本体は、ほぼ全基、オーバーホールもチューニングが十分出来ますし、生産廃止ですがオイルパン本体も修理は出来ます。但し、フアイナルドライブギアセツト(ピニオン&リングギア)は生産廃止で単品入手出来ないんです。つまり、エンジン本体以外でもメリットがある事が魅力の一つです。もちろん、オーバーホールでは継続使用出来ると判断した部品もベアエンジンには含まれますので、部品継続前提のオーバーホールより施工コストが高くなるネガティブな事があるのは否めません。悩みどころですが、シリンダーヘッド、カムシャフト、ピストン、コンロッド、クランクシャフト、シリンダーブロックなど、個別に購入するよりトータルコストが低く、完全にエンジン全部を新しくしたい方には断然お得です。オーバーホールにするか。新品ベアエンジンにするか。自分にあった選択をして下さい。

さて今回、「ブーストが掛からない。」という症状を持つ走行距離20万kmのR33GTRオーナーの方、結果的にベアエンジンを搭載したので紹介します。実は、疲れの出てきたエンジン本体、この機会にオーバーホールを検討されていたようです。ただ、車を毎日使用されている為、作業に何日も掛けられず、ベアエンジン交換なら早く終わるんじゃないかと、ディーラーや修理工場に相談されていたとの事でした。ですが、RB26DETTベアエンジンは、現在、生廃にはなっていないものの、著しく納期が掛かり、いつ入手できるかわからない状態です。そこで、大森ファクトリーのホームページをご覧になり、ベアエンジンの在庫があるなら相談してみようと来店頂きました。

早速、オーナーと一緒に状態を確認。エンジンを掛けると、確かに「バラバラ」という音が出ています。エキゾーストマニホールドかターボチャージャーのガスケット抜けが原因と思われる状態でした。

結局、今回のエンジン不具合原因は、ターボチャージャーのアウトレット取付ナットが全部緩んで外れていた事でした。遮熱板の裏に排気漏れの跡もくっきり残っています。ここは熱が入って緩みやすい場所です。かといって増し締めなどの点検も難しく、取付時のトルク管理がすごく重要な所です。

原因が確定し不具合さえ取り除いてやれば、後は新品ベアエンジンに補機部品を移植していくだけなので、オーナーの思惑通り短い作業工期で完了することができます。もちろん、新品ベアエンジンでも、タイミングベルトの張りや、ベアリングの状態は点検してから組み付け作業を行います。

そして最後は、エンジンベンチでチェックを行い完成です。

今回、納車させて頂く際、家族の皆さんが来られていました。微笑ましい時間でした。あらためて、ベアエンジン施工について考えましたが、ノーマルで乗り続ける方も多いですよね。これも有りだなぁーって。では。