トータル328基組まれたS1パーツコンバージョンエンジン。見分けるのは、エンジンに取り付けられたエンジンプレートの黒ライン。
今回、2004/11組み込み時11,913km、総走行距離73,950Kmのエンジンが、オーバーホールで入庫しました。今まで、手つかずの状態だった腰下が、どのようになっているか?
いつも通り、エンジンから補器類を外し、このエンジンにとっては初めての全分解。ブロックからピストンを抜き確認。スカート部にシリンダーと擦れた跡は若干ありますが、新車時から無交換なのに、年数,距離に対して「悪くない。」また、ピストンリングから下へカーボンが落ちて来ていない事から「ピストンリングの張りや当たりも良い状態」でした。
ピストン状態からも解るように、シリンダーの傷も少なく「綺麗な状態」が保たれています。RB26DETTエンジンが名基たる由縁か!NISMOチューニングの特徴か!しかし、「何のトラブルも抱えていないのか?」と思っていましたが「いました・・・」
パッと見はキレイな状態のコンロッドメタル。ピストン同様、エンジンの腰下をバラさないパーツコンの特徴で、新車時から交換されていない部品です。そこに不具合を発見しました。
表面に、何かが流れたような痕があります。こういう状態を「メタルが流れる。」などと表現をする事があります。どの様な状態かと言うと、油膜切れを起こし、メタル表面が剥離している状態です。
主に、エンジンの出力性能に合わせた走行のさせ方というか、乗り方に合わせたENGオイルのメンテナンス(交換サイクル、油脂の種類、熱の管理)が悪かったりする事が原因となる事が多いです。
今回は、「流れる」位で済んでいましたが、これが進行すると・・・そうです。メタルブロー。嫌な言葉ですよね。そうならない為にも、日々のメンテナンスや、オーバーホールが必要だと解ります。最近は、中古車購入時にNISMOチューニングエンジンに触れ、楽しんでくれる方も増えています。
残念ですが、いくらメンテンナス記録が残っていても、実際のコンディションは分からないものです。S1パーツコンやSTDであれ「オーバーホールは何時かはやらないと!」です。その際は、S1エンジンの正当な進化系である【S2】を楽しんで欲しいですね。
今回、たまたま良いタイミングでの事例でした。是非、パーツコンENG搭載車を買われた方は参考にしてみて下さいね。