1000基目のエンジン施工!「S1からS2にバージョンアップ分解編」

2005年6月に走行距離56,174Kmで、ベアエンジンをベースにS1として施工されたエンジン。約14万km経過した走行距離197,290Kmでのオーバーホールの結果は?

【スロットル部位】ニスモのメタル製ガスケットを使っていたので、紙ガスケットのように抜けてエアを吸っているなどのトラブル痕跡は無。

エンジンカバーを外し【カムシャフト】周りの汚れや、金属当たり面の視認確認を実施すると、オイル管理をしっかりしてあった効果?で、エンジン内部は綺麗な状態。

分解されたシンダーヘッドの【バルブ部分】も、走行距離に対して不具合も無い状態が保たれていました。エキゾースト側(写真上部)の焼けも良好。

次に、【ピストン上部】のカーボンの付着も少なく、シリンダーボアもかなりいい状態です。クリアランスが保たれていた証拠。

此処では、ヘッド側、シリンダー側共に、異物混入、ターボブロー、オーバーヒート等の不具合痕跡も無。

【オイルパン内部】を確認すると、日頃の油脂管理/交換状態が解ります。スラッジも溜まっておらず、相当メンテナンスに気を使われていたと推測。

【メタルの状態】も悪くない。但し、メインメタル、コンロッドメタル共に、摩耗消耗部品ですので、この作業の機会に交換。

【結果】組み付け時の正確な測定と部品寸法選択は、クリアランスが綺麗に保たれているエンジンを生み、今回の分解でも良い状態を保っていました。14万Km走行したエンジンでも、このように綺麗な状態を保てるのは、組手側の大森ファクトリーと、それ以上に、オーナーの日頃の車両管理の賜物だという事ですね。もちろん、経年劣化はしています。ホースは硬直し、シール類はオイル漏れを起こしてもおかしくない状態となっています。

さぁ、これから組み付けです。これから10万Km以上!10-15年!安心して使用して頂ける状態にしますね。

是非、記念となった1000基目のRB26DETTです。現オーナーは長く乗り続けて下さいね。また、何かの機会に他のオーナーに引き継がれても、NISMOへ戻って来る繋がりが続く事があれば嬉しいですね。

ビルダーとしても、自分達が組み上げたエンジンは忘れません!

では、1001基目も組上げ中です。2000基目を目指してやりますか。